米国250周年 分かれ道

 夏と言えば雷雨。たこを使った実験で雷と電気が同一のものであることを証明したのは、ベンジャミン・フランクリンです。

 博識で多分野で腕を振るった彼は米国建国の父の一人で、独立宣言の作成にも関わりました。今日、米国は建国250周年の大きな節目を迎えます。

7月4日 掲載

 独立宣言がなされたのは、英国との独立戦争中の1776年7月4日。同年秋に戦争資金が困窮すると、援助を求めるためフランクリンはフランスへ大使として赴任しました。敵国である英国製品の輸入に反対する動きを背景に、米国産の生地を作った手織りのシャツに毛皮の帽子という、新大陸の質素な生活を思わせるいでたちでエリート層の心を魅了し、戦費をねん出することに成功したとされます。

 83年、米国が独立を勝ち取ると、フランクリンは憲法の草案の完成に尽力しました。87年9月、フィラデルフィア憲法制定会議で憲法草案が決定された時、フランクリンは81歳、最年長の署名者でした。

 その直後に知人の女性に「この国は民主主義による共和国なのか、王国なのか」と問われ、「民主主義国だ、体制を維持できればね」と答えました。

 建国に生涯をかけたフランクリンは、今の米国の状況に驚愕することでしょう。第二次世界大戦後の繁栄にうかれ憲法の見直しは手薄になり、大統領の権力が増大しました。

 フランクリンは民主主義を自然の摂理と考え、その信念に支えられていたと言われます。

 米国を250年間支えた原則を、市民が自然の摂理と考えるかどうかが、米国の運命の分かれ道なのかもしれません。


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