川の水運 歴史見守る

 夏休みに大学から戻ってきた息子が、電気自動車を作る課外プロジェクトの作業場に行くには車が必要だ、と言い出しました。やりくりを考えていると、車を買い替えた友人が古い車を安く譲ってくれました。

 新学年が始まる8月下旬に合わせ、親子3人で東海岸のニュージャージー州から譲り受けた車で3000㌔を走り、息子が通う大学のある西部のコロラド州まで行きました。

 この旅で、念願だったミシシッピ川をミズーリ州セントルイス市で見ることができました。米国内の鉄道網が整備された1800年代中頃まで、カナダと国境を接するミネソタ州からメキシコ湾まで南北に走る同川の水運が、物流の中心でした。

 米国で最長のミズーリ川が同市の北約16㎞でミシシッピ川に合流します。この地理条件から、同市は商業と通商の中心地として栄えました。

  8月29日 掲載

 南北戦争(61~65年)が始まると、ミズーリ州政府は奴隷制に反対する北軍につきましたが、奴隷の労働力を必要とした人たちは米国連邦からの脱退を目指す南軍を支援しました。文字通り、隣人同士が血で血を洗う内戦が繰り広げられました。

 しかしその後、ミシシッピ川にはトランペット奏者のルイ・アームストロングも演奏した「浮かぶ楽隊」つきの蒸気客船が運航を始めました。

 ミシシッピ川には新しい時代を生む「原動力」があると信じる人たちがいます。川のすぐ横に立つモニュメント「ゲートウェイ・アーチ」の上から川を眺めつつ、分断された米国の和解と前進に、ミシシッピ川の「力」を拝借したいと思いました。


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