医療雑誌ランセットによると、2020年1月から21年9月までの177か国のデータを、さまざまな要素と照合して分析した結果、新型コロナウイルスの感染者数と政府への信頼に強い関連性が見られました。
政府への信頼感が高いデンマークでは、1,000人当たりの感染者が166人。不信感の強いアメリカでは545人。一方、医療体制的が貧弱ながら政府への信頼感の高いベトナムは日本と同じ67人でした。
アメリカはインフレ傾向にあるものの失業率は約4%で、経済は比較的順調です。コロナ対策も、トランプ政権の指揮のもとワクチンが開発され、バイデン政権が積極的に分配し、一定の成果を上げました。しかし、市民は不満を募らせています。

これは、個人収入のここ数十年間の傾向と無関係ではないでしょう。30歳の人が自分の親が30歳だったときの収入を上回ると、経済的な上昇移動があったとされます。1940年代から80年代に生まれた人の上昇移動は、年代を追うごとに減少しましたが、中流層では上昇移動の可能性が半減しました。
また、中流層のアメリカ全体の総収入に占める割合は、70年には62%を占めていましたが、2018年には43%に低下しました。ともに、中流層の経済的な停滞感を裏付ける数字です。
同期間に富裕層のアメリカ全体の収入に占める割合は28%から48%に増加し、富の富裕層への集中がより顕著化しました。
また1964年から2018年までの間に、医療費と教育費の上昇率は160%を越え、家計を圧迫しています。
中流層の経済的な停滞感が緩和されない限り、コロナ対策だけでなく、アメリカンドリームの復活も、政府への信頼回復も難しいでしょう。