人種問題の転換期に

 黒人のジョージ・フロイドさんの殺人罪に問われているミネソタ州の白人警官=事件後に免職=の裁判が続く中、11日、裁判所から15キロほど離れた交差点で捕まった黒人男性のダンテ・ライトさん(20)が警察官に射殺されました。

 その後、抗議活動が続いている背景には、黒人が警察に殺害される確率が白人の三倍以上であることや、警察で差別排除の訓練が長年実施されているにも関わらず、効果が一向に見られないことなどがあります。

 その原因の一つは警察が市町村レベルの組織であること。州レベルの改善とその強化が必要なのは誰の目にも明らかですが、ライトさんの事件も対応の前面に立っているのは市長のみ(市警察署長は辞職)。

2021年4月19日掲載

 長年の抗議活動が実質的な改善につながらないことに、黒人だけでなく一般市民の苛立ちが募っています。

 警察による殺害に関する過去の裁判では、有罪判決が期待された場合でも、不利な証言が他の警察官から出ることはなく、被害者側が有罪を勝ち取ることは非常に困難でした。

しかしフロイドさんの事件の裁判ではミネアポリス市警のトップが「沈黙の青い壁(警官の制服が青色)」を破り、膝でフロイドさんを9分29秒間地面にくぎづけにした被告について「過剰な力を加え警察の方針に違反した」と証言しました。

 新型コロナウイルス対策でテレビ中継されている裁判を、一般市民も傍聴。検察側の論証により、黒人への警察対応の不当な激化と、嫌疑(紙幣の偽造)と結果(死亡)の不釣り合いを目のあたりにしました。

 フロイドさんとライトさんの事件が、人種差別問題改善の転換期となるか。アメリカは重大な岐路に立たされています。


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