新型コロナウイルスのワクチン接種が軌道に乗りつつありますが、バイデン政権の体制づくりには時間がかかるもよう。
しかし自然はアメリカの都合などおかまいなし。大寒波に襲われ、メキシコと国境を接するテキサス州のほぼ全域が停電。各郡の当局は過去の寒波の苦い経験を生かせず、避難勧告を出さずじまい。州民は氷点下の気温に数日さらされました。
水道管破裂が相次ぎ、輸送機関もまひ、消防用水も凍結する中、凍死のほか火事、一酸化炭素中毒、医療や医薬品の不足が招いた死も少なくありません。

アメリカは各州に裁量権がある連邦国です。テキサス州は、連邦政府の規制を逃れるために他州と電力の売買をしない「閉じたシステム」を選択し、電力の「陸の孤島」と化しました。
しかも400万人の停電を招いた十年前の寒波の後、連邦エネルギー規制委員会が電力会社に対策提案をしましたが、州に強制力がなく、電力設備の冬季装備は実施されずじまい。その大きなツケを、州民が払う羽目になったのです。
被害額がアメリカ史上最大になるともされる今回の災害は、規制よりも独立と自由を選ぶテキサス州の気風と政策が招いた悲劇とも言えます。
一方、日本時間の19日、アメリカ航空宇宙局(NASA)の火星探査車「パーシビアランス(不屈の努力)」が昨年7月末からの長旅の末、火星の計画された地点にぴたりと着陸し、翌日には鮮明なカラー画像を発信し始めました。
火星探査の高度な技術力がありながら、被災者に水や食糧、医療品を届けられない現状に、大きな不釣り合いを感じます。災害対策に関しては、独立よりも協力、そしてパーシビアランスが必要ということでしょう。