助け合う心 忘れずに

 11月に入って、貧困家庭の食料支援を補助する栄養支援プログラム(SNAP)と、低所得者層の就学前の子どもの教育や健康を支援するヘッドスタートプログラムで資金不足が発生し、プログラムの実施に支障が出ました。

 SNAPは世界大恐慌時代の1939年にフランクリン・ルーズベルト大統領が開始し、ヘッドスタートは64年にリンドン・ジョンソン大統領が始めました。プログラムの継続が困難になったのは、与党共和党と野党民主党の政策を巡る争いで、予算案が可決に至らなかった結果、米政府機関の一部が閉鎖したためです。

 両プログラムが機能しないと、幼い子どものいる貧困家庭は毎日の食事に困るだけでなく、子どもを預けて親が就業することが困難となり、さらに困窮に陥ることになります。

  11月15日 掲載

 多くの家庭が苦境に立たされているのに、一般市民の反発はそれほど強くありません。さまざまな危機を報じるニュースの多さに圧倒されているのかもしれません。また、経済力による住み分けが進んだ結果、生活環境が違う人たちとの交流が減り、貧困家庭が経験する痛みを想像しにくくなりつつあるのかもしれません。

 政府機関の閉鎖が終わっても、米社会の混乱は続きそうです。貧困層の救済が後回しにされてしまうことが心配です。

 月末の全米で祝う感謝祭は、新天地の米国で生き残った初期の移民が、先住民への感謝を込めて開いた食事会が起源といわれます。人種や生活環境の違いを越え、住民同士が助け合う初心を思い出したいものです。 


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