責める風潮 省みる時

 米国の大学の夏休みは、一般的に5月の前半から約3カ月半続きます。高い授業料を払う親には、割に合わない長さです。しかし子どもにとっては社会勉強のよい機会です。

 娘は今夏、テニスコーチの手伝いをしています。娘がテニスのバックハンドの指導のため、子どもたちの利き腕と反対側にボールを送っていると、一人の男の子が「性格の悪い魔女!」と怒鳴ったそうです。娘は失礼な態度に憤慨しましたが、魔女の笑い声をまねしてその場を取り繕いました。

 子は社会の鏡です。物事が思い通りにいかないときに、他人を責める風潮が強くなっていることの表れなのかもしれません。

2025年7月26日

 移民の国の米国では、お互いの違いを分かり合うために、話すことが奨励されています。ところが交流サイト(SNS)の影響もあってか、最近は対面での会話でも相互理解という本来の目的を忘れ、言いっ放しで、相手の言葉に耳をかさない態度が目立つようになりました。

 自分の発言に責任を持たなくなり、相手の言葉に対する感謝の気持ちが薄くなってきているからでしょう。

 社会の風潮を作るのは大人たちです。「人の振り見て我が振り直せ」。子どもの振りを見て、大人は自らを省みるべきかもしれません。

 困難な場面で安易に他者を責めずに、自分の成長のために聞く態度や、自分の言葉に責任を持つ習慣が大切です。当たり前のことが崩れると、修正には時間がかかります。千里の道も一歩から。そして、継続は力なり。


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