14 コーチングを受ける

 医者も歯医者も、もちろん医者と歯医者にかかります。ではコーチは、コーチングを受けるのでしょうか? 私は健康チェックの一つとして、ときどき受けています。ですので、コーチングを受けることに慣れているつもりでした。

 しかし、それは状況にもよるということを最近経験しました。

 つい最近、インタビューを受けて、その2週間後にその内容をコーチと一緒に分析するというプログラムを受けました。2回(合計約2時間)会うだけで1,000ドル、約15万円かかります。

 小さくない投資なので、金額に見合う効果が得られそうな話題を見つけたかったのですが、前夜になっても何も思いつきませんでした。寝ながら考えようと思ったのは大間違いで、まんじりともせぬままに夜が明けました。コーチ研修で短いコーチングを何度か受けていたので、話題が尽きてしまったのです。その日の午後、しかたなく自分の中ではほぼ解決していた話題を一つ出しました。ところが、これがなかなか面白い会話になりました。

 そのきっかけは、コーチが使った correct という言葉でした。私は何かを選択する場合の right と wrong について話していたのですが、彼女が correct を使ったとき、何かが頭にひっかかりました。彼女は「私はcorrect と right を同じ意味で使っている」と言いましたが、大事なのはコーチがどう思うかではなく、クライアントの私がどう理解しているかです。私はそのときどきでの最善の選択を考えていたのですが、correctという言葉に「すでに定められているあるべき姿」のイメージを感じ、それに違和感を覚えたのでした。人生は作り続けるものだという私の信条に、この言葉は相反するのです。自分の視点を再確認するよいきっかけになりました。

 ですので、皆さんもコーチングを受けている間に、しっくりこない言葉に出くわしたら、そこで立ち止まって考えることをお勧めします。

 その数日後、急にスピードを上げてきた対向車と交通事故を起こしそうになり、長めの一旦停止の大切さに気づきました。前へ前へと進むだけでなく立ち止まる勇気も必要だということを、改めて認識しました。これは、経験に意味を見つけ、それを自分の世界観に取り入れるという、コーチング効果の一つでした。

 リーダーシップは「内面のゲーム」と言われます。コーチの質問に答える作業を通じて自己認識を深め、思考と行動の幅を広げることが、リーダーシップ能力の開発につながります。

 コーチングのクライアントには、「一つか二つ、最近の出来事で気になることを話題として持ってきてください」と頼みます。「あまり真剣に考えないでください」とも伝えます。心にひっかかっている話題は何か大切なものにつながっているので、話題選びに神経質になる必要はありません。コーチとして、そのことを頻繁に経験しているのですが、いざ自分が高額なコーチングを受けるとなると、話題選びに力んでしまったことが、我ながら可笑しかったです。

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