共感しあえる社会に

日本人の友人が足の手術をしました。米国では入院せず、手術後すぐに自宅へ戻されます。様子を見に行くと、米国人の介護員の対応に不満そうでした。

むいてもらった果物についていた皮をとってと頼むと、これでいいと言って応じてくれなかったなど、文化の壁を感じることの連続だったそうです。

そこで、生活習慣が同じ日本人の友人たちが手を差し伸べました。これを米政治学者のロバート・パットナム氏は「結束型社会関係資本(ソーシャル・キャピタル、SC)」と呼びます。多種多様な人が暮らす米国では、自分とは違う人たちとの「橋渡し型SC」も必要です。

パットナムさんは、橋渡し型SCが減ると、米国が分断するという予測を20年以上前に立てました。彼の調査によると、橋渡し型SCは1965年をピークに崩れ続け、残念ながら国の分断が現実になっています。

  8月24日 掲載

橋渡し型SCを築くために、彼は「楽しいことを一緒にするクラブに入る」ことを勧めます。ただし、むやみに信用するのではなく、会話を通じ、相手が信用できる人かどうかを見極めることが必要だと念を押します。

単に共通の楽しみがあるから信用するというのでは、本当の橋渡しにならないからです。

私の橋渡し型SCはテニス仲間です。テニスを楽しみながら長く付き合うことで、お互いの考え方の違いを超えて共感しあえるようになったという実感があります。

息子が高校を卒業し、子どもを通じた橋渡し型SCの輪は影が薄くなりました。今後、新しい橋渡し型の付き合いの輪を広げたいと思います。


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