11月5日の米大統領選は、民主主義の命運が懸かるともいわれる選挙です。指名候補が正式に決まる党大会は、共和が7月、民主が8月を予定しています。候補指名に向けて、いよいよヤマ場を迎えます。
歴史は民主主義のもろさについて警告します。日本が第1次世界大戦(1914~18年)に参戦したのは、大正デモクラシーと呼ばれる時代でした。ドイツがポーランドに侵攻し第2次世界大戦に突入した1939年、ベルリンは世界中の注目を集める芸術の中心でした。大統領への権力集中を許せば、民主主義と平和は危うくなります。
後に大統領となるリンカーンは、28歳のときの演説で「米国の民主主義は『身から出た錆』で崩壊する」と述べました。
オバマ氏が2008年に大統領に立候補すると、意見の違う人と話さない傾向が顕著になりました。ソーシャルメディア(交流サイトなど)の普及がそれに拍車をかけ、現在、連邦議会も十分に機能していません。

さらに7月1日、最高裁が大統領の権限を大幅に拡大する判断を下し、三権分立の「抑制と均衡」が弱まりました。憲法学者は「大統領が合法的に独裁者になる可能性」を指摘します。
私は米国市民の個人主義に、いちるの望みをかけています。独裁主義に傾倒していても、いざ投票するときになれば、民主主義が保証する自由と正義を優先するのではないか、と。
アメリカ市民は、身から出た錆を見極め、削ぎ落すことを選択するか? 世界経済と平和にも大きな影響のある大統領選。民主主義に軍配が上がりますように、と願う日々です。