移民政策 是正が必要

 大統領選挙までほぼ1年。投票者の心理が読み切れず、数十年間、議論を先送りにされてきた移民政策が選挙戦の争点の一つになると目されています。

 個人的には、メキシコからの移民者の不法滞在への対応が気になります。我が家のペンキ塗りや石畳の舗装、高さ20メートルの樹木の剪定などの作業者の多くがメキシコ人です。

 南北戦争(1861-65年)後の憲法改正で、黒人だけでなく、米国で出生した人は市民とみなされるようになりました。このため、「メキシコ人はこれを悪用し、米国内で産んだ子どもを足がかりにして、親や親戚が市民権を得ようとする」と主張する人たちがいます。

 10月28日掲載

 しかし、移住・就労証明書を持たない不法滞在者が市民権を得るのは非常に困難です。第一歩として永住権申請が必要ですが、市民である子どもが親の保証人になれるのは21歳になってから。申請すると、手続きの正式化のため、親は出国しなければなりません。10年間再入国できない場合も多く、最悪の場合は入国を拒否されることもあります。

第2次世界大戦後、メキシコ人は、米国の農業を支えてきました。今や、彼らの労働力が不可欠な産業は多岐に渡ります。彼らからの税収入も、米国経済から切り離せません。

米独立戦争(1775-83年)は、英国の植民地だった米13州が「代表なくして課税なし」をスローガンに始めたものです。ところが今、米国政府は不法滞在者に課税する一方、市民権への道をほぼ閉ざしたままです。この歴史の矛盾を、正してほしいものです。


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