世情も映す 子の応援

   フロリダ州、メリーランド州、ペンシルベニア州、バージニア州へと、息子のクラブチームのサッカー試合の観戦に、ほぼ毎週出かけています。正直、疲れます。しかし、息子にとって、チームメートやコーチと話し合い、難しい状況や人間関係を乗り越える経験は、学校では得難い人生教育です。

 かかわる親の思いはさまざまです。自分の子に勝たせたいばかりに、レフリーを罵倒し、相手チームの選手に罵詈雑言を浴びせる親もいます。レフリーや相手チームの選手がいなければ試合は成り立たないという事実を、理解していないのかもしれません。

2023年4月 掲載

 そればかりか、相手チームを敵視し、相手に怪我をさせてでも勝ちたいかのような親もいます。同じ年に生まれた息子を持つ親どうし、チームを越えて共感しあうのは、夢のまた夢。

 あるフィールドに着くと、警備員が3人いましたが、その目的が分かりません。しばらくして、夫が理由を思い付きました。一つの観客席に、二つのチームの親が座るので、親同士のけんかを心配しての配慮だと言うのです。さもあらん。

 最近の試合で、一点差を追う相手チームの母親が、あれこれと汚い言葉で文句を言い始めました。我がチームの父親の一人が「まぁ、落ち着いて」と声をかけると、声は低くなりましたが、汚さはそのまま。今度は母親の一人が、「子どもの試合のせいで、人間性を失わないほうがいい」と小声で声をかけました。問題の核心を突いた発言の痛快さに、私は胸がすっとする思いでした。

 暴言を吐くのは、違うグループに敵対的な態度をとりがちな米国世情の反映でしょう。子どものスポーツを通じた喜びと学びは二の次。本末転倒です。


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