選挙不信と民主主義

 12月のジョージア州上院議員の決戦投票を残し、米国の中間選挙が終わりました。

 人が通貨の価値を信用しないと貨幣経済が破綻するように、選挙への不信感が広がると、民主主義は危機に瀕します。2年前の大統領選の選挙結果を否定してきた共和党候補の多くが落選し、民主主義に軍配があがった形となりました。

 ブッシュ大統領再選の戦略家を務めたマシュー・ダウド氏は、今回の選挙結果は市民が民主主義を守るべきだと気づいた証しだが、民主主義の立て直しには100年かかる可能性があると言います。

11月26日掲載

 この国の歴史を振り返ると、南北戦争(1861―65年)後、奴隷制は違憲とされましたが、黒人が市民としての権利を獲得したのは、1965年に投票権法が成立してからです。また、20年に女性は選挙権を得ましたが、政治的社会的な平等を手に入れたのは、その100年後、ごく最近の話です。

 ですから、今後の民主主義の立て直しも、長期戦となるかもしれません。

 一方わが家の当面の関心は、カタールで開催中のサッカー、ワールドカップです。オリンピックと違い、選手の年齢に制限がないワールドカップでは、世界最高峰のプレーと各国独特のサッカー流儀を堪能できます。

 サッカーは、ボール一つで楽しめるので、国や家庭の経済状況にあまり左右されず、世界中でプレーされるスポーツです。100年も待たずとも、民主主義の理想に近い形が、サッカーではすでに実現されています。

 建国の父の一人、ベンジャミン・フランクリンが「守れれば、続く」と表現した米国の民主主義は、常に崩壊の危険をはらんでいます。そのことを思い知らされた一年でした。


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