最近発見された資料と旧エクソン社の元研究員らのインタビューに基づき、米国の公共放送PBSが3日間の特集番組を放送しました。
それによると、エクソン社をはじめとする各社は、自前の研究機関を通じて、二酸化炭素が地球温暖化の原因であるという事実を1970年代末に把握していました。しかし自社の利益を優先し、この独自の研究成果を公表しなかったばかりか、80年代には、事実を否定し始めます。再生エネルギーの開発も中止しました。
95年、国連の気候変動に関する政府間パネル(ⅠPCC)が「人間の活動が地球の気候に影響している」とする結論を出し、科学が勝利したかに見えました。しかし、世界の科学者100人が出した報告書に対し、徹底した攻撃が始まります。
99年に合併し巨大企業となったエクソンモービル社は、98年から2014年の間に3000万ドル(約39億円)をつぎ込んで虚偽の情報を意図的に流し、気候変動とその原因に関する不信感をかきたてました。

09年に気候法案が下院を通過すると、石油産業の基盤を支えるコーク・インダストリー社は、出資した団体を介して、反大気汚染政策を推進する政治家を攻撃。また失業への恐怖感をあおり、80万人の活動家を動員して、気候問題に取り組む政治家を不利な情勢に追い込みました。
その結果、10年の中間選挙で民主党は大敗し、気候法案成立の夢は水泡に帰しました。
アメリカの政治は虚偽の情報と金の力に翻弄され、対策を進められたはずの40年を棒に振りました。現在、地球環境はのっぴきならない状況です。覆水盆に返らず、とならぬよう、再生エネルギー政策の大躍進を願ってやみません。