民主主義の底力期待 

 1月6日、前年の選挙結果に基づき次期大統領の認定を行っている連邦議会議事堂内に暴徒が侵入―。アメリカの新年は不安な幕開けとなりました。

 アメリカはイギリスの王政に反対し、独立戦争中の1776年に独立を宣言。民主主義国家の建設を目指しますが、86年に独立戦争に参加した兵士が経済的な困難から、「シェイズの反乱」を起こし、当時の国家体制のもろさを露見しました。

 同様の反政府暴動を防ぎ、できたての民主主義国家を維持するために憲法が作られ、89年に発効しました。

 憲法に従い大統領選は州が行い、1月6日に各州の認定結果を連邦議会で集計し、次期政権を宣言します。権力を分散し、王政と暴政を防ぐためです。

 1月6日の議事堂への暴徒侵入は、民主主義の守り神であるアメリカ憲法を踏みにじる行為でした。ですから、シェイズの反乱と同様、反政府暴動だったという認識が妥当でしょう。

2021年11月29日掲載

 20年前の9月11日の朝、私の家から半時間のニューアーク国際空港からユナイテッド航空93便が離陸しました。乗客は携帯電話で世界貿易センターと国防総省へのテロを知り、搭乗機の乗っ取りを察知すると、テロ行為を未然に防ぐ決議をします。同機は墜落し、搭乗者全員が亡くなりました。連邦議会議事堂は、テロ攻撃の的だった可能性が高いと言われています。

 その議事堂の階段で、同日の夕刻、全議員が「アメリカに祝福あれ」を合唱しました。その階段を、今年の1月6日に武装した暴徒が駆け上り、議事堂へ乱入したのです。

 この20年間の変容に、驚愕(きょうがく)します。始めがあるものは必ず終わりあり。しかしアメリカの民主主義は、これから底力を発揮してくれると信じています。


One thought on “民主主義の底力期待 

  1. I sincerely pray that we can live up to our full potential, but it seems far away these past years. I had hoped it was some sort of reckoning that would move us to action. But so far, we remained mired in self-interest,

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