大学スポーツ 改善へ

日本でテレビ観戦したオリンピック。「この瞬間を楽しみたい」と述べた選手が多く、好ましく感じました。

 アメリカでは秋に新学年が始まると、大学の各種スポーツ競技が順次開始します。非営利団体のNCAA(全米大学スポーツ協会)が競技を運営管理し、テレビ放映権などによる興行収入は、さまざまな形で会員の大学に分配されます。

 NCAAは観客動員数の減少を回避するため、放映される試合数を制限するほか、会員大学と放送局との個別契約も認めないなど、放映権に関し大きな権限を持ちます。

8月23日掲載

 一方、大学はアメリカンフットボールやバスケットボールなどを目玉商品とし、チケット販売や卒業生からの寄付金などをスポーツプログラム全体の運営資金に当てます。学生選手なしには成り立たないビジネスですが、選手はNCAAの制限を受け、ほぼ無報酬。自分の名前入りの商品が高値で売られているのに、ハンバーガーを買うお金もないと言う選手もいます。

 近年、NCAAのビジネスモデルや、選手の収入その他の便宜を制限するやり方への批判が高まっていました。

 今年の6月に、最高裁の判事9人が全員一致でNCAAの権限の縮小を支持しました。カバノー判事が「巨額の事業が、公正な報酬を得ていない学生選手のお陰でなりたっている」と意見を発表。また、学生選手の報酬を抑制しているNCAAは独占禁止法に違反していると、厳しく批判しました。

 改善に取りかかるのに長年かかりましたが、公正化を目指し続けるアメリカの精神は、捨てたものではありません。ときめく瞬間をテレビ観戦で共有する者として、NCAAのビジネスの健全化に期待します。


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