法の下の平等目指す

 今年に入り、米国でアジア系アメリカ住民に対する差別や暴力が増えています。1月から3月は前年比で約150%増となっています。

 前大統領が新型コロナウイルスを「中国ウイルス」と呼んだことが原因と見る人も多いですが、日系やアジア系に対する差別の歴史は長いのです。

 20世紀初頭、日本からの移民が増加。土地を共同購入するために集団で長時間働く日系人への反発から、日系人の農地所有が禁止され、日系人は貧困を余儀なくされました。

5月24日掲載

 1931年に始まった旧日本軍の中国侵略や37年の「南京虐殺」によって高まった日系人への批判は、41年にハワイ真珠湾襲撃で太平洋戦争が勃発したことで頂点に。日系人は42年、厳しい自然環境に急造された強制収容所へ送られました。

 一方、日本と三国同盟を結んだドイツとイタリア系で収容所に送られる人はほぼ皆無でした。一般のドイツ人とナチスは違うという認識があったためですが、日系人は十把ひとからげに「悪人」扱いされたのです。

 戦後、真面目に働き、権利を強く主張しない日系人は模範的な少数派となりましたが、学歴と経済力の向上につれ、不満や批判の対象にもなりました。

 今年3月にジョージア州で発生した射撃事件の犠牲者の8人中6人がアジア系でした。4月にハワイ選出で日系のメイジー・ヒロノ上院議員(福島県桑折町出身)が中心となって「アジア系への差別を糾弾し、ヘイトクライム(特定グループに対する憎悪犯罪)の可能性を迅速検証する職位を司法省内に設ける」法案を提出。上・下院を通過し、5月20日に成立しました。

 法の下の平等を目指し、アメリカの奮闘は続きます。


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